福井市清水東公民館のパンプキンタンク
パンプキンタンクは,世界銀行の支援を受けて行われたCommunity Water Supply and Sanitation Programme (1995~1998年)の一部として開発されたカボチャ形の雨水貯留槽で、スリランカの水道や地下水供給が難しい場所に数百基設置されています.このパンプキンタンクは,鉄筋を湾曲させて作った骨組みの上に,金網を貼付け、その後モルタルを塗布して製作されています。これまで,日本国内にはすみだ環境ふれあい館(東京都墨田区)にある1基だけでしたが、2015年に福井市清水東公民館でも製作が行われました。
このパンプキンタンクは、2015年3月中旬から製作が始まり、約4ヶ月後の2015年7月11日に完成しました。製作に携わった方々の延べ人数は97人・日で、製作費用は全額福井市からの助成金で賄われました。
入念な基礎工事後、パンプキンタンクの形状を決定する枠鉄筋の組立と金網貼りが行われました。その後、左官作業によるモルタル積層作業が約10cmの厚みになるまで行われました。
最終工程としてタンク表面の塗装仕上げとビオトープ内の生物をイメージしたイラスト(原画は地区の児童が作成)のシール化と貼付け作業が行われました。また,、タンク前面には完成を記念して石材製の銘板がはめ込まれました。
パンプキンタンクには,公民館の屋根で取水した雨水が導かれ、貯水した雨水はビオトープへの給水や草花への散水に利用されています。また、冬期には公民館の玄関前の融雪にも利用されているようです。(文責:笠井利浩)